長年棲み続けている或る「庭」の現実からの直接・独自の考察・雑感。

2015年11月22日日曜日

意想外の柿一つ

正倉院の虫干しの頃は例年晴れが続くように記憶していたが、
今年は雨が多く、虫も今だに飛び交っている。


この庭には二本の柿の木が南北に並んであり、
そのうち北側の木には今まで実がなった覚えがない。
生らないものと思っていた。 何十年も前から。

しかし今年一個だけ実が生った。

二階にある台所のすぐ脇の窓から丁度よく見える位置に。
普段常時、毎日その変遷を目にする。

雨に濡れ、色が増し、
そして案の定、鳥に啄ばまれた様子。
美味かったのか否か、7割程残ったままでいる。


・・・
柿の方では、こう思っていることだろう。
すぐ近くの窓の中から
毎日こちら見つめてる者がいて、どうも気になる。
一体、何を考えているのだろうか。

・・・

しばらくして
ちょっと忘れかけていたある朝、
ふと見ると、もう蔕(へた)しか残って無かった。





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